40代からの初めての転職にチャレンジするのなら

ウエタニミレイです。

長く産業医をしておりますと、はたらく世代のメンタルヘルス不調者の方に多く出会います。

メンタル不調をきたす方でよくみられるのは中途入社された方のパターンです。

特に40代以降の世代にはメンタル不調にいたる共通点があります。

この世代は即戦力として、またマネージャークラスとして
活躍を期待されて入社されることが多く、
もちろんスムーズに新しい環境に適応していくケースも珍しくありませんが、
入社直後から数ヶ月後にお休みに入るケースがけっこう目立ちます。

面談をお話を伺ってみると

「分からないことが聞けなかった」

「新しい環境のペースについていけなかった」

「いきなり新しい環境でのマネジメントは想像以上に難しかった」

「会社内の人や仕組みが分からず、仕事が回せなかった」

「同世代の人がまわりにおらず、飲みに行って愚痴をこぼすような仲間が作れなかった」

「取引先からはベテランだと思われるが、実際には分からないことだらけで
どんどんプレッシャーが膨らんでいった」

「自分にはもっと能力があると思っていたが、自分が思うほどの能力はなかった」

「即戦力になることを期待されて入社したので、こんなことを質問したら
バカにされると思ってまわりに聞けなかった」

などなど、皆さんがお話しされることには共通点があります。

よく考えると前に書いたエントリーと似ていますね。

異動したり、新しい仕事を任されたり、
はじめてマネージャー職になったりするような
環境の変化が起こる時には誰でも変化に適応するのに
ある程度の精神的負担は感じるでしょう。

中でも特に、即戦力になることを期待されて
40代以降に初めて転職されるのなら
想像以上に精神的負担がかかることを想像しておいた方がいいと思います。

と言っても、必要以上に身構えて新しい環境に飛び込みなさい、ということではありません。

大切なことは素直力だと思います。

単純力も必要でしょう。

私たちは
自分には「貢献する能力があり」、
「ここは自分の居場所だな」という感覚を持てると
勇気が湧いてきます。

そして勇気があると、
人生の有益な面で生きていく、
まわりと協力して生きていく決心ができるのです。

40代以降の転職後にメンタル不調になる方から
よく聞くことに「この会社の中に居場所がなかった」というものがあります。

日本企業に余裕があった頃なら
新しく入ってきた仲間が孤立感を持たないように気づかう余裕があったかもしれません。

けれど最近では
多くのはたらく人は自分の仕事に精一杯で
残念ながら他の人を気づかう余裕はないことが多いのです。

新入社員ならともかく、即戦力を期待されて中途で入ってきた方に対してはなおさらでしょう。

周囲への気づかいを求めるだけでなく、
自分でできることで貢献していくことで
自分の居場所を作っていくのです。

難しく考えなくていいのです。

笑顔で挨拶することも周囲の雰囲気をよくするという貢献になります。

シンプルに、単純に考えると、
最終目標は自分に与えられた業務を遂行して、
チームや会社に貢献していくことなのでしょうから、
小さなことでもその目標に向かって貢献しようとするのです。

そのプロセスの中で、分からないことがあれば
周囲の人の力を借りながら解決していくのです。

よく「分からないことを聞くと迷惑がかかる」という人がいます。

まわりに援助を求めることは相手にとっては貢献の機会になりますから、
迷惑ではなく、相手を勇気づけることになるのです!

逆のパターンを考えるとみると、
自分が他者から援助を求められた時に迷惑だな、と感じますか?

きっと相手の役に立つことができて嬉しいという気持ちになると思うのです。

周囲や上司からの評価とか
即戦力を期待されて入社した自分のプライドとか
いろんなことが気になるかもしれません。

厳しい言い方をすると、
周囲からの評価や自分のプライドが気になっている状況は
自分に関心のベクトルが向いている、
自分のことしか考えていないということなのです。

ものごとをシンプルに単純に考えて、
チームや会社に貢献するという目標を達成するために
分からないことは素直に援助を求め、
少しずつでもできることをやっていきましょう。

前をみて小さな歩みを重ねていくうちに
そこがあなたの居場所になっていますよ。


素直力と単純力!!!

参考にしてみて下さいね♪

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