新しい年が始まり、心機一転のこの時期に、Live My Truth:LMTレッスンを開催しました。
2025年最初のLMTレッスンでは、
同窓の大先輩である精神科医・山内直人先生をお招きし、
『働く人の自閉スペクトラム症を理解・支援する』
と題した全2回シリーズを企画し、
1月26日に第1回目を開催しました。
アーカイブでのお申し込みの方も多くいらっしゃいましたが、
リアルタイムでは30名もの方にご参加いただきました。
職場における対人関係の課題
産業医として働く人の支援をしていると、「職場での対人関係の難しさ」についての相談を受けることは珍しくありません。
- 指示がうまく伝わらない
- あいまいな指示や暗黙のルールの理解ができない
- 他人の気持ちを理解・配慮するのが難しい
- 空気が読めない
- 自分の考えにこだわる
- 細かいことにこだわる
- 何度も同じことを聞く
- 変化に弱く、突然の変更があるとパニックになる
- 同じ失敗やミスを繰り返す(経験を活かせない)
- 複数の業務の優先順位をつけるのが苦手
- 見通しを立てることや計画を立てることが苦手
- 音や光、においなどに敏感
逆に、
「上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない」
「相手の気持ちを察するのが苦手で、どう対応すればいいのか分からない」
といった悩みを抱えている方も少なくありません。
こうした課題が職場の ストレス や メンタルヘルスの不調 につながるケースもあり、適切な支援と理解が求められています。
自閉スペクトラム症(ASD)の本質と理解
第1回目では、自閉スペクトラム特性(AS特性)の本質について、歴史的背景や用語の整理を交えながら解説いただきました。
山内先生は、論文や実験結果を引用しながらアカデミックな視点でお話しされましたが、「なるほど!」と頷けるような分かりやすい説明をしてくださり、難しいながらも理解が深まりました。
また、「皆さんにお伝えしたいことがたくさんある」と熱意を込め、予定時間を30分近く延長して質問にも丁寧に対応してくださいました。
参加者の声
参加者からの感想を一部ご紹介します。
セミナーの中で「一番印象に残っていること」「目からウロコだったこと」「新しい気づき」は何ですか?
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“症”と病名がつかないまでも、また濃淡の違いこそあれ、AS特性は自分の中にも周りの人にもあるなと気づきました。
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資料の情報量が豊富で、新たな学びとなりました。アーカイブで復習するのが楽しみです。
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「過去の経験が活かされないため、予測困難が生じる」という点や、「親のせいではない」と明言してくださったことが印象的でした。
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ASDの人たちの身体性感覚の乏しさに関する説明が興味深かったです。
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AS特性そのものよりも、それに起因する幼少期からの辛い経験が職場での対人関係に影響している点が印象に残りました。
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「接し方によって変わる可能性がある」という希望を持てるお話でした。
セミナーを受講してASDの人に対する見方は変わりましたか?
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多くの人が自閉スペクトラム症を理解すると、コミュニケーションの仕方が変わると感じました。
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現代の日本社会の構造変化が、AS特性の強い人を生きづらくしていることに気づきました。
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ASDの特性は「特別」ではなく、誰にでも見られる発達の凸凹であることを実感しました。
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ASDの人が過去の経験を活かせないことに驚きました。定型発達とは大きく異なるのだと理解しました。
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ASDの人たちは、私たちの固定観念を覆してくれるパイオニアでもあると感じました。
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「対応が難しい」から「より良い対処法を探る」へと考えが変わりました。
第2回のご案内
今回のLMTレッスンで山内先生のお話を伺い、「世の中にはこんなに素晴らしい精神科ドクターがいるのか!」と感動しました。
職域で支援する機会の多い適応障害やうつ病の背景には、AS特性を含む発達傾向があることが少なくありません。
生まれつきの特性であったとしても、
関わり方を改善することで、
より良い支援が可能になると希望を持つことができました。
第2回では、職場での具体的な支援方法についてお話しいただきます。
特に多い相談として、
「AS特性のある当事者の自己評価と周囲の評価がズレているので指導してもなかなか改善されない」
「プライドを傷つけずに改善を促す方法が知りたい」
といったものがあります。
私自身も支援の現場で試行錯誤を重ねているため、第2回の内容がとても楽しみです。
そして朗報です!
セミナーは満席となりましたが、山内先生のご厚意により、
今からでもお申し込みいただけることになりました!
● 第1回のアーカイブ視聴+第2回のリアルタイム参加
● 2回ともアーカイブ視聴
どちらでもOKです!
「発達障害」の支援に関する書籍やノウハウは多くありますが、膨大な文献に基づいた学術的かつ分かりやすい講義を聴ける機会は貴重です。
何よりも、山内先生の熱意と愛情が伝わるセミナーです。 私が20年近く尊敬し、お世話になっている山内先生のお話を、ぜひ皆さんにも聴いていただきたいです!