ポリヴェーガル理論に関する原稿が2本公開されました。
どちらも「はたらく人のメンタルヘルス」をテーマに、
自律神経の仕組みから現場の課題を紐解いた内容です。
もしご関心のある方がいらっしゃいましたら、
ぜひお読みいただけると嬉しいです。
『産業精神保健』第34巻1号|「産業保健職のためのポリヴェーガル理論」
1本目は、昨年夏に登壇した日本産業精神保健学会での教育講演の内容をまとめたものです。
産業保健の現場で、
「なぜ、あの人はあんなに頑なになってしまうのか?」
「なぜ、動きたくても動けない状態に陥るのか?」
こうした疑問を、自律神経の階層構造から解き明かしています。
特に以下の3点に重点を置いて整理しました。
1.「神経系の防衛反応」としての不調
本人のやる気の問題ではなく、
体が「生き残るため」に選んでいる反応として理解する。
2.非言語コミュニケーションの力
面談場面での声のトーンや表情が、
相手の「安全感」をいかに左右するか。
3.支援者自身のセルフケア
良い支援を続けるために、
まず支援者自身の神経系を安定させること。
専門職の皆さまの日々の関わりのヒントになれば幸いです。
PDFでのダウンロードも可能ですので、ぜひお役立てください。
シンリンラボ【特集】第36号(2026年3月号)|「ポリヴェーガル理論と職場における生きづらさ」
2本目は、Webメディア「シンリンラボ」の『ポリヴェーガル理論とトラウマ』特集号へ寄稿した原稿です。
こちらは、師匠である津田真人先生からご依頼をいただき、
産業分野のテーマとして執筆させていただきました。
職場では、不調の原因を
「メンタルが弱い」「能力不足」といった
個人の問題に帰結させてしまいがちです。
しかし、人の状態は環境との相互作用で劇的に変わります。
そこで本稿では、
不調やパフォーマンス低下を個人の資質の問題ではなく、
その環境を「安全ではない」と体が判断した結果の
『防衛反応』として捉え直す視点を提示しました。
「生きづらさ」は個人の欠陥ではなく、
環境との関係の中で生まれる神経系の反応である――。
そんな、職場というコミュニティで今起きている真実を、
産業医の視点から掘り下げています。
学びを深めるおすすめの連載シンリンラボの連載のご紹介
シンリンラボでは素晴らしい連載が目白押しです。
特におすすめなのが、
甲南大学の富樫公一先生の連載。
以前、ゲシュタルト療法学会の講師としてお越しいただいたこともある富樫先生の文章は、
クスッと笑えるユーモアの中に、
ハッとするような深い学びが詰まっています。
おわりに
ポリヴェーガル理論を学ぶことは、
自分自身を、そして目の前の誰かを
「責めなくてよくなる」ことでもあります。
これらの原稿が、
日々現場で奮闘する皆さまの心を軽くする一助になれば幸いです🍀
また、シンリンラボのこの特集は、
将来的に書籍化される可能性もあるとのこと。
どのような形になるのか、私自身も楽しみにしています🎵
