「何度伝えても相手の行動が変わらない」
「正しいことを伝えているはずなのに、なぜか響かない」
「面談が終わるたびに、どっと疲れを感じてしまう……」
保健指導や対人支援に携わっていると、
このような感覚を抱いたことがある方は少なくないと思います。
それは、あなたの力量不足ではありません。
保健指導という仕組みそのものが、
構造的に難しくなっているからです。
本来、健やかな毎日をサポートするはずの保健指導が、
いつの間にか「説得」や「指導」になってしまう。
そんな保健指導に新しい視点を提示してきた
「“勇気づけ”保健指導」の集大成となるセミナーを開催しました。
なぜ“最終回”なのか
2018年の『ミレイ先生のアドラー流“勇気づけ”保健指導』の出版以来、
「勇気づけ保健指導」は多くの支援者に広がってきました。
その一方で、
「勇気づけ保健指導」で伝えている「ヨイ出し」が、
よく考えると相手をジャッジしていること、
そして、
良い悪いを判断して声かけすること自体が、
タテの関係になっているのではないか、
と疑問を持つようになりました。
そんな問い直しから、
良い・悪いを前提にした関わりを手放し、
ただ全肯定していく姿勢へと変化していきました。
今回のLMTレッスンは、
その出発点でとなった“勇気づけ”の一つの区切りであり、
次へとつなぐセミナーとなりました。
なぜ保健指導は難しいのか
私は、現在の保健指導のあり方は、
そもそも“無理ゲー”であると考えています。
- 「呼び出すこと」自体が勇気をくじいている可能性
指導という枠組み自体が、相手を「正すべき対象」として見る「タテの関係(評価・指導)」になりやすい。
- 正論の限界
人は正しいから動くのではありません。
評価やジャッジを感じる場では、自己防衛のスイッチが入ってしまいます。
「指導」という言葉を改めてみると、
上から下に教え導くというタテの関係のニュアンスが強いですよね。
こうした関係性の中では、
相手の「勇気」がくじかれてしまうことがあります。
つまり、
うまくいかないのは“技術不足”ではなく、
構造の問題である場合もあるということです。
だから、どんなに正しい情報を伝えても効果が出ないことがある。

“勇気づけ”とは何か
アドラー心理学をベースにした“勇気づけ”とは、
相手との「ヨコの関係」を築き、
「所属感(ここにいていい)」と
「貢献感(自分は役に立っている)」を
感じられるように関わることです。
よくある質問に、
「勇気づけとほめることは何が違いますか?」
があります。
「ほめる」は自分の価値観に合った場合のみ賞賛する、
評価的な関わりです。
一方で、「勇気づけ」では支援援者と相談者は上下ではなく、
対等な仲間として協力し合う関係。
相手を変えようとするのではなく、
「一緒に関わる仲間としてどう関係をつくるか」。
ここに視点を移すことが、
勇気づけの本質です。
そして誰よりも勇気づけをしてほしいのは、
支援者自身です。
医療者は、
「間違ってはいけない」
「見落としてはいけない」
とトレーニングされるため、
自分自身に対してダメ出しをしやすい傾向があります。
ですので、
まず最初の勇気づけは、
自分自身にしてほしいのです。
支援者が自分を大切にできれば、
自然と相談者を大切にしていくことができます。
参加者の声

「現在の保健指導は無理ゲー」と話してもらえたこと。
私も常々感じていたのですが「それを言ってしまっては…」という思いもあり、モヤモヤしていました。
ミレイ先生の口からその言葉が聞けて、心が軽くなりました。

勇気づけ保健指導の本に出会ってから6年目になります。
改めて勇気づけとは?保健指導のゴールとは?を考える機会となりました。
ほめると勇気づけの区別が難しく、相手を無自覚に評価してしまっていることに気づきました。
初心に帰り、自分の保健指導を振り返ってみようと思います。

勇気付けとは単なる言葉使いの違いなどではなく「つながり感を持てるような関りすべて」というところが特に心に響きました。

今日のセミナーそのものが居心地が良くて、ミレイ先生がヨコの関係を大切にされているのを実感できる場でした。
明日からも前向きに、保健指導をやってみようと思います。
ありがとうございました。

いつもの保健指導ではなんとか行動目標まで設定出来ないとちゃんと指導したことにならないと思っていましたが、セミナーを受講してむしろそれが勇気をくじいてしまうことにつながっていたと思い、見直したいと思いました。
焦らずとらわれず、目の前の人をよくみてその人の人生を応援するような気持ちで保健指導をしていこうと思いました。
大変勉強になりました。
ありがとうございました!

特定保健指導従事者です、
対象者に行動変容を促すような指導をしなさいと言われることが多く、保健指導に苦手意識が強いのですが、ミレイ先生の本を読み、レッスンに参加することで、相手を勇気づけることを目標にかかわるって良いなと思いました。
支援者も少し肩の荷がおりる考え方だなと感じました。

変化は現状の否定であること。
保健指導を通して生活習慣が変わるのは、その先の結果であること。
まずは、本人が自らを大切にすることからという言葉にハッとしました。

共同体にとって破壊的な行動をとる人は勇気がくじかれている状態という話がはっとさせられました。
困ったという気持ちから、少し俯瞰してみれるようになりそうです。

課題の分離のフロー図で「注文を取る」ことで「目標が一致」したら「分担を話し合う」ところを、今まで意識していなかったと気づきました。
「どのようなお手伝いが必要ですか?」とか「アドバイスしても良いですか?」と聞くことが大切と思いつつ、いい加減にやっていたかも、と思ったので、この点に注意して保健指導をしていこうと思います。
“勇気づけ”から“全肯定”へ
“勇気づけ”保健指導のエッセンスは、
新刊『全肯定保健指導』に引き継がれています。
また時代とともに「より深く、より実践的に」というニーズの高まりを受けて、
『全肯定保健指導』ではより実践的で具体的なスキルを体系的にまとめた内容になっています。
具体的には、
面談の30分を6パートに体系化し、
46の具体的なスキルを収録。
相談者のタイプ別対応も詳しく解説しています。
「勇気づけ」のエッセンスはそのままに、
より実践的・具体的な内容になっています。
そして、6月には「全肯定保健指導入門セミナー」を開催します。
- 6月4日(木)19:30〜21:30(オンライン)
- 6月20日(土)10:00〜12:00(オンライン)

セミナー案内ページが準備できましたらメルマガでお知らせしますので、
興味のある方は、ぜひメルマガ登録してくださいね。
最後に
あなたは、支援の場で「ヨコの関係」をつくれていますか?
そして、まず自分自身を勇気づける関わりができているでしょうか。
保健指導――人と人とが関わること――は、
本当はもっとワクワクする時間のはずです。
そのためにも、
支援者であるあなた自身が、
まず自分を大切にしていてほしいと思っています。
これまで「”勇気づけ”保健指導」シリーズに関わってくださったすべての方に、
心から感謝申し上げます。
ありがとうございました🍀
※「全肯定保健指導®」はヒューマンハピネス株式会社の登録商標です。
