ウエタニミレイです。
私がアドラー心理学と出会うきっかけになった本には「性格はいつでも変えられる」と書いてありました。
その本にはたまたま職場の図書館で出会いました。
10年ちょっと前のことですが、当時はアドラー心理学なんて聞いたこともありませんでした。
けれども、その頃ちょうど、職場の仲間達と「はたして性格は変わるのか?」という議論をしていたこともあり、図書館でなんとなく手に取った本にどうしようもなく心惹かれて読んでみることにしました。
その本の中にはそれまで聞いたこともないようなことばかり書いてありました。
曰く。
アドラー心理学は一般的に「性格」と呼ばれているものを「ライフスタイル」と呼び、生き方のスタイルに過ぎない。
さらに私たちは10歳ぐらいまでに、みずからそのスタイルを選択する。
性格は生き方のスタイルに過ぎず、しかも自分で選択したものなので、自分で変えたいと考えれば、いつでも生き方のスタイル、つまり性格を変えられる。
その他にも、人間は何らかの原因があって行動を起こすのではなく、何らかの行動を起こす目的があるという目的論の考え方やどんな過去があろうとも、ここから先の未来は自分で決められる、などという初めて知るアドラーの考えが面白くて、すっかり夢中になりました。
その後、本格的にアドラー心理学を学ぶようになり、いつしか他の方にもアドラーの知恵をお伝えするようになりました。
講座や研修の中では、
一般的に「性格」と言われているものをアドラー心理学では「ライフスタイル」と呼びます、
そして、ライフスタイルすなわち性格は自分で決めたものなので、いつでも変えることができるのです、と
これまで説明してきました。
けれども最近、仲間たちとの学びを進める中で、やっぱり性格は変わらない、という結論が自分の中にうまれています。
どんなに同じことを学んでも同じような人にはならないのです。
物静かな人が一夜明けると別人のように急に賑やかな人になっていた、なんてことが起こらないように。
私たちには、持って生まれた遺伝的なものや生まれた社会、時代による影響などから成る、「その人そのもの」と言えるコアな部分があり、その部分は英語ではpersonalityとかcharacterなどと呼ばれます。
日本語では性格とか気質とか個性とか人格と呼ばれています。
この部分はやっぱり変わらないと思うし、その人らしさの根源でもあるので変える必要もないのです。
アドラー心理学は「使用の心理学」とも呼ばれており、今、持っているものを取り替えるのではなく、どう活かしていくか、という考え方をします。
性格は変えなくてもいいのです。
学びや経験を通して変えられるのは構えattitude(協力的であるか競合的であるかというあり方、態度)+行為behaviorの部分です。
そして構えを変えるためにどうすればいいかというと、まずは行為を、一つ一つの行動を変えていくのです。
公式的にまとめてみると、
ライフスタイル=変わらない本質的な部分
personalityとかcharacterとか(日本語訳としては性格もしくは気質もしくは人格もしくは個性など)
+構えattitude
+行為behavior
変える順番、変わっていく順番としては
行為⇒構えであり、行為を変えることで構えも変わっていきます。
そして、行為や構えが変わった結果、生き方のスタイルが変わっていくのです。
こうやって考えてみると、もともと持っているその人らしさはそのままであっても、構えや行為を変えていくことで、外から見えるその人の様子、すなわち生き方のスタイルはずいぶんと変わってみえるでしょう。
アドラーで言うライフスタイルはやっぱり「生き方のスタイル」なのであって、性格とは違うものだと思います。
性格は変わらないし、変えなくてもいいけれど、生き方のスタイルは変えられます。
ここに書いたことは、あくまでも私の見解ですが、個人的にはとてもスッキリ理解できました。
色々と思いを巡らせるうちに、考えがまとまったので記録しておきますが、これから改めてアドラーの著作を読み直すとともに、仲間たちとも話してみようと思います(*^_^*)