カウンセリングや産業医面談の場で、よくこんな言葉を耳にします。
「もっと元気になってからじゃないと申し訳ない」
「悩みをちゃんとまとめてからじゃないと…」
「先生の面談までにもっと元気になっておきたかった」
あのね、これ、逆なんです。
元気じゃないからこそ、
カウンセリングや支援の場がある。
考えがまとまらないからこそ、
本当に感じていることを探求するお手伝いができる。
話し始めるなり涙がこぼれる方もいますが、
それでいいんです。
上手に話そうとしなくてもいい。
最初から泣いてもいい。
ちゃんとしたクライエントになろうとしなくてもいい。
そもそも「ちゃんとしたクライエント」って、なんでしょう?
「なんとなく話を聴いてほしいな」
そんな気持ちがあるなら、それだけで十分です。
悩みと向き合うこと
私は日々、さまざまな方の話を聴いています。
悩み、愚痴、雑談めいた相談—— どれも、その方にとっては大切なものです。
時には、何度も同じシチュエーションで悩み続ける方に出会うこともあります。
「それのどこが問題なのだろう?」と感じられるようなこともあります。
しかし、本人にとっては「こういう問題がツラいのです!」と涙ぐみながら話すほどに大きな問題なのです。
そんな時、以前の私はついアドバイスをしてしまうこともありました。
けれど、ご本人の側にその準備がなければ、
「先生の言っていることは分かります。でも…」と
「イエス、バット」のループ にはまってしまいます。
今は、ただ聴きます。
「そうなのですね、そんなふうに頑張ってこられたのですね」
できていること、当たり前にやっていることに注目して勇気づけながら、
「この人にとって必要なら、一番いいタイミングで気づくはず」
と信じて見守ります。
そうして数年関わってきた方が、最近こんなふうに話してくれました。
「他人の中に問題を探すのではなく、自分の中に課題があるのかもしれない」
この言葉が出た時、ようやく新しいステップに進む準備が整ったのだと感じました。
勇気づけの意義
アドラー心理学では、「勇気の心理学」とも呼ばれます。
勇気づけは、特別な言葉かけや魔法のスキルではなく、
時間をかけて信じて見守るプロセスそのもの。
「今すぐ解決しなきゃ」と焦る必要はありません。
支援職の方は特に、「何かしてあげなければ」と思いがちですが、
相手を信じることも大切な支援です。
その人が自分のタイミングで気づき、
自分のペースで進めるように、
そっと見守る。
それこそが「勇気づけ」なのだと、改めて感じています。
自分のペースで歩んでいこう
悩みは、無理にすぐ解決しなくてもいい。
元気じゃなくても、話していい。
そして、支援する側も「何かしなくては」と焦らなくていい。
お互いに、自分のペースで進んでいけば大丈夫です。
2025年6月からLMTスクール~自己一致の学校~6期を開講予定です。
「なんとなく気になるな」と思ったら、 チェックしてみてくださいね。

今日も自分を大切に🍀
支援職のセルフケアをサポートする産業医・公認心理師の上谷実礼でした。