見通しがなくても「手放す」ことで道が開けることがある
10年ほど前の話ですが、私が本づくりのパートナー・かとちゃんと出会った頃、
彼はまだ前職の某大手企業に在職中でした。
とはいえ、その時点で「20年勤めた会社を辞める」という決断はすでにしていたのだそうです。
…次の仕事も決まっていなかったのに!
でも、こういう「決めて、手放す」って、本当にすごいチャンスを呼び込む行動だなって思います。
かとちゃんは、その決断のあとにカウンセラー・ライターとしての道を歩み始め、今では私の大切な本づくりのパートナーとして活躍中です。
実は、私自身も臨床の現場を離れたとき、次の予定は何も決まっていませんでした。
「病院を辞める」とだけ決めて、恩師に挨拶に行ったところ――
「それなら大学に戻ってこい。ちょうどポストが空いているから」と声をかけていただき、
そこから産業医としての道がスタート。気づけば20年以上も続いています。
人生、何が起こるかわかりません。
でも、チャンスを手にするには、まず“何かを手放す勇気”と“決める覚悟”が必要なのだと思います。
「心理的安全性」が注目されている理由
さて、ここからが今日の本題です
近年、人事や組織開発の現場で話題になっている「心理的安全性」という言葉。
私もこのテーマについては
『ナースのためのアドラー流勇気づけ医療コミュニケーション: メンタルヘルスの専門家・ミレイ先生が人間関係の悩みを解決!』
や
『ミレイ先生のアドラー流勇気づけメンタルヘルスサポート: 産業保健スタッフの悩みを解決! / 20の事例&イラストでかかわり方がわかる』
で書いてきました。
ご存知の方も多いと思いますが、心理的安全性が知られるきっかけとなったのは、Googleが行ったある有名な研究です。
生産性の高いチームは、メンバーの能力よりも、
チームに“心理的安全性”があるかどうかが決め手になる
この結論から、今では「心理的安全性を高めよう」という取り組みが多くの企業で進められています。
では、心理的安全性って何でしょう?
- 「こんなこと言ったら馬鹿にされないかな…」
- 「上司に叱られるかも…」
そうした不安を抱えながら働くよりも、
安心して本来の自分をさらけ出せる
リラックスして、自分のままでいられる
このような状態こそが、心理的安全性がある状態。
その方が、アイデアが生まれやすく、
集中力も高まることが実証されています。
自分を大切にすることは、ワガママじゃない
この“心理的安全性”、一般的には「職場にどう作るか」という視点で語られます。
でも、私は少し違う角度から考えています。
それは、
自分自身がリラックスして、自分を大切にして生きること。
これって、決してワガママではなくて、
職場への貢献や生産性向上にもつながる大事な土台なのではないかと思うのです。
- 「こうあるべき」ではなく、今の自分を認めてあげること
- 役割や期待に押しつぶされそうなときこそ、“本当の自分”を大切にすること
つまり、
自己受容、そして
自己肯定感――ここに尽きるのではないでしょうか。
決断と自己受容が、人生を切り開く
手放すことは勇気がいるけれど、
“自分らしくいよう”と決めることが、
実は組織や社会にも良い循環を生むのだと思います。
- 「辞める」と決断したら、新しい仕事の縁がめぐってくる
- 「この会社でやっていく」と覚悟したら、チャンスが広がる
自分の人生のハンドルを、自分で握る。
そんな姿勢を持つ仲間が、私の周りにもたくさんいます。
皆、それぞれに自分で「決断」して、人生を切り拓いています。
今日も自分を大切に🍀
あなたも、日々の中でふと立ち止まりたくなる瞬間があれば、
少しだけ「自分の本音」に耳を澄ませてみてください。
それは、
自分らしく生きることへの第一歩かもしれません。