【研修レポート】当事者の感情に巻き込まれない実践スキル

先日、千葉県の民事・家事調停委員の皆様を対象に、「当事者の感情に巻き込まれない実践スキル」というテーマで講演をさせていただきました。

ホールでの講演は久しぶりでしたが、約200名弱の参加者の皆様が非常に積極的に耳を傾けてくださったため、私もノリノリで話しちゃいました!

産業医の経験と公害審査会調停委員としての視点

講演準備を進める中で改めて感じたのですが、私の産業医としての仕事は、会社と従業員の間で調停委員のような機能を果たしているとも言えます。

双方の間に立ち、感情の機微を察しながら、より良い着地点を見出す。

この経験が、今回の講演内容にも深く活かされたと実感しています。

さらに、偶然にも今年度から私は千葉県の公害審査会調停委員会の委員を拝命しており、今回のテーマはまさに自分事としても深く関わる分野でした。

日々の業務で「当事者の感情に巻き込まれない」ことの重要性を痛感しているからこそ、皆様に役立つ情報をお届けしたいという強い思いがありました。

持続可能な調停業務のために:セルフケアと実践ワーク

調停業務は、当事者の感情が渦巻く中で、冷静かつ客観的な判断が求められる、精神的にも非常に負荷の高い仕事です。

だからこそ、調停委員の皆様ご自身が持続可能に業務を続けていくためのセルフケアが不可欠だと考えています。

今回の90分間の講演では、感情の適切な扱い方やバウンダリー(境界線)の設定方法など、セルフケアの具体的な実践スキルについて全力でお伝えしました。

特に、バウンダリーの重要性を体感いただくため、ペアになって物理的バウンダリーを引くワークも実施。

また、講演中には近くの人とのシェアタイムを3回設けるなど、一方通行ではない、会場全体が一体となるような構成を心がけました。

講演終了後には、活発な質疑応答の時間もあり、参加者の皆様の学びへの熱意を感じる充実したひとときとなりました。

参加者からの声:「実りある時間」「日常にも活かせる」

講演後、参加者の皆様からは大変嬉しいご感想を多数いただきました。

楽しくて実りあるレクチャーでした

今回の講師選定は大変好評だったと聞いています(研修ご担当の方より)

この講義を聞けて本当に助かりました

ペアでのシェアタイムがとても良かった

調停委員の仕事だけでなく、日常にも使える内容でした

調停業務をよく理解されている方の話だと感じました

特に「日常にも使える」という感想は、この講演が調停業務だけでなく、あらゆる人間関係における感情の扱いや自己防衛に役立つ普遍的な内容であったことを示しており、

私にとって大きな喜びです。皆様のお役に立てたこと、心より嬉しく思います。