自分が思うほどに自分のことは分からない


毎年秋から冬にかけて恒例の高ストレス者面談もひと段落しました。

2015年末に始まった企業でのストレスチェック制度。

導入時には大騒ぎになりましたが、10年近く経ってだいぶ定着したなぁという感想です。

今回は「自分が思うほどに自分のことは分からない」というテーマで

上司からのねぎらいやフィードバックの重要性について書きます。


高ストレス者との面談やマネジャーとの1 on 1をしていると、

多くの方が上司からのねぎらいやフィードバックをほとんどもらっていないことに驚くばかりです。

人は自分ひとりでは自分の変化や成長に気づけないものです。

アドラー心理学を日本に紹介した精神科医の野田俊作先生は

「自分ひとりで自己理解、自己分析しようとすることは、自分の髪の毛を引っ張って空を飛ぼうとするようなことだ」

とおっしゃっていました。


それぐらい、自分ひとりで自己理解、自己分析しようとすることは不可能ということですね。

面談や1 on 1で皆さんからの話を聴いていると、

皆さん、とてもよくがんばっておられるし、

入社時の自分、1年前の自分、マネジャーに着任したときの自分と比べると成長している部分が多いのに、

自分はマネジャーに適性がないとか全然成長できていないと思い込んでいることが多いです。

一方で、初めてのことはできなかったり、分からなかったりするのは当たり前なのに

できない自分や分からない自分をダメだと思ったり恥ずかしく思ったり責めたりしている人も多いです。

こんな時に「〇〇さんの話を聴いていると~~なところが成長していると感じます」

「~~のような努力をされているように思います」

「~~のような状況だったら最初はできないものだと思いますよ」

「初めてのことはできなかったり、分からなかったりすることは当たり前ですよね」

のように私が感じたことをフィードバックしたりねぎらったりさせていただくと、

「初めて自身の成長や変化に気づくことができた」

「自分では全然できていないと思っていましたが、できていることもあるんですね」

というような発言をよく伺います。


2023年ももう終盤ですね。

1年を振り返って上司の立場の方はメンバーに

「2023年はこんなことをがんばりましたね」

「今年はこんな成長をしましたね」

と、ねぎらいやフィードバックを渡してあげてくださいね!