2025年の新しい年が始まりましたね。今年も、管理職や対人支援職の方々が、自分のままで社会に適応するためのヒントとなるような発信をお届けしていきます。
今回は、リモートワークが増える中で注目される「挨拶の力」についてお話しします。挨拶を交わすことは仕事の効率UPにつながるだけでなく、心理的な健康にも大きな効果があるのです。
「挨拶」はマナーや礼儀ではない?
皆さんは職場で「おはようございます」と挨拶していますか?
挨拶をただのマナーや形式的な礼儀と捉えている方も多いかもしれません。しかし、挨拶にはそれ以上の深い意味があります。
挨拶は、「ここは自分の居場所であり、周囲の人が仲間である」と感じるための基本です。アドラー心理学ではこれを「所属感」と呼び、「私たち人間の究極目標は所属である」と考えます。人は所属感を得ることで安心し、自分にできることで周りの役に立っていこうと思えるようになります。特に、リモートワークが広がる現代では、この所属感を意識的に高める工夫が必要です。
人間にとって「所属感」はなぜ重要なのか?
私たち人間は生物としては弱い存在なので、仲間と協力することが最も大切な生存戦略でした。そのために集団に所属できないことや孤独であることは命に直結する問題として、私たちの身体に深く刻まれています。現代においても、「自分には居場所がない」「誰の役にも立てていない」と感じることは、心身の健康に大きな影響を与えます。
上司との関係が原因でメンタルヘルス不調になった方から「上司は挨拶をしても無視するんです」のような話を聞くことがあります。挨拶をするかしないかは、これほどにメンタルヘルスにも影響を及ぼします。たかが挨拶、されど挨拶です。
所属感を生み出す一歩として、日常的な「挨拶」は非常に効果的です。
リモートワークでも「挨拶」の力を活かす方法
相手の目を見て、「おはようございます」と挨拶をすることは、お互いの存在を認識することができ、安心感を得ることができます。しかし、リモートワークが広がる中で対面での挨拶が減り、どうしても心理的な距離が生まれがちです。顔を合わせる機会が減ったことで職場のコミュニケーションに課題を感じる方も多いのではないでしょうか。これを解消するための具体的なアイデアをいくつかご紹介します。
- チャットで「おはようございます」
リモート環境でも始業時に「おはようございます」と一言伝える習慣をつけましょう。これは、「これから仕事を始めます」という意思表示だけでなく、職場でのつながりを感じるための重要な一歩です。 - オンライン挨拶タイムの導入
就業時間の少し前にオンラインシステムを立ち上げ、顔を見て挨拶を交わす時間を設けるのも効果的です。簡単な雑談も交えることで、オフィスワークに近い雰囲気を作れます。 - 対面の価値を活かす工夫
可能であれば、定期的に対面での面談や1 on 1ミーティングができる機会を設けましょう。これは、オンラインだけでは得られない安心感を提供します。
挨拶がもたらす心理的な効果
挨拶を交わすことは、「私はここにいる」「あなたの存在を認識している」というメッセージを送り合う行動です。この小さなやり取りが職場の一体感や安心感を生み出し、結果的に仕事のパフォーマンス向上につながります。
まとめ:小さな習慣が大きな変化を生む
リモートワークが広がる中でも、挨拶の重要性は変わりません。むしろ、オンライン環境だからこそ挨拶の持つ力を意識的に活用することで、職場のつながりや安心感を高めることができます。
ぜひ、今日から挨拶の習慣を見直してみてください。それが、チームとしてのパフォーマンスをUPしていくための第一歩になるかもしれません。