オンラインでの保健指導の進め方のコツ

こんにちは。

“はたらく人のメンタルヘルスの専門家”上谷実礼です。

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、

企業には一気にテレワークが拡がりましたね。

私は「アドラー流 勇気づけ保健指導」が専門ですが、

保健指導、個別指導もコロナ以前からオンラインで行っていました。

遠隔面接がこれからどんどん一般的になっていくでしょう。

というわけで今日は、

「オンラインによる保健指導」について

考えていきたいと思います。

この記事がオススメの方

・オンラインでの保健指導をどうしたらいいか悩んでいる方

・オンラインでの保健指導をスキルアップしたい方

・オンラインでの保健指導に効果があるの?と感じている方

オンラインでの保健指導の進め方のコツ

そもそも皆さんは対面での保健指導は得意でしたか?

全く問題なく行えていましたか?

保健指導が好きでしたか?

もしもこれらの質問にすべてYES!と答えられるなら、

恐らくオンラインでの保健指導も問題なく行えるでしょう。

私はコロナ以前から

オンラインで保健指導を行っていましたが、

結論から先にお伝えすると、

オンラインによる保健指導も

対面による保健指導も

大切なこと、基本姿勢は

大きく変わらない、ということを確信しています。

方法、手段が対面からオンラインに変わっただけで、

今まで保健指導がうまくいっていた人が

急にうまくいかなくなる、というようなことは

多くのケースではないでしょう。

皆さん、“オンライン”という言葉に身構えますが、

電話だって立派なオンラインなのです!

そう考えてみると、

手段が変わったからと言って

急に保健指導が簡単になったり難しくなったりすることはない気がしませんか?

ただし、オンラインでの保健指導をスムーズに進める

ちょっとしたコツはたしかにあります。

私の経験をもとに5つにまとめました。

 

オンラインでの保健指導をスムーズに進めるための5箇条

  1. 基本は対面の保健指導と変わらないので、必要以上に構えすぎない。
  2. 対面の時よりも視覚情報に頼るようになるので、画面越しでも分かりやすいオンライン用の保健指導ツールや教材を用意しておく方がいい。
  3. オンラインによる保健指導では雰囲気で伝えられる部分が少ないので、身振りを大きめにして、気持ちや希望をはっきりと言葉にして伝える。
  4. オンラインによる保健指導では対面のときよりも時間の“遊び”が少なくなるので、より一方的に話しがちになる。
  5. 対面の保健指導と同様に、対象者が自ら課題を乗り越えるためのエネルギーが出るように応援する勇気づけの関わりを大切にする。

順番に説明していきますね。

1.基本は対面の保健指導と変わらないので、必要以上に構えすぎない

慣れていないことは誰しも身構えるものです。

私は保健指導の他に

心理カウンセリングもオンラインで行っていますが、

基本的にはほとんど問題なく行えています。

5にも関連しますが、

一方的に話しすぎない、

画面越しに対象者の様子や表情をよく観察する、

対象者の考えや気持ちをよく傾聴し、共感する、

できていないことではなくすでにできていることや

当たり前のように思えることにも注目する、など

大切なことは対面での保健指導と同じです。

オンラインでの保健指導の場合に起こる問題があるとすれば、

双方の通信状況により、クオリティが左右されるということでしょうか。

対象者の方には

できるだけWi-Fi環境下で対応してもらう、

などの工夫は必要でしょう。

2.対面の時よりも視覚情報に頼るようになるので、画面越しでも分かりやすいオンライン用の保健指導ツールを用意しておく方がいい

対面の保健指導では、

視覚情報/聴覚情報/言語情報/(場合によっては)触覚情報/熱量などの

コンタクトツールを用いて情報を受け取ります。

一方、オンラインによる保健指導では、

視覚情報/聴覚情報/言語情報のみ

情報伝達が行われます。

非言語コミュニケーションの重要性を指摘した

メラビアンの法則は有名ですが、

私たちは想像以上に、

話している人が醸し出す雰囲気や熱量などで

コミュニケーションを行っているのです。

ですから、オンラインの保健指導では

より視覚や聴覚に訴えられるような

説明用資料を準備しておく方がよいでしょう。

幸い、オンラインでは画面共有を簡単に行うことが可能なので、

アニメーションや動画を用いた説明には

オンラインの方が適しているかもしれません。

3.オンラインによる保健指導では雰囲気で伝えられる部分が少ないので、身振りを大きめにして、気持ちや希望をはっきりと言葉にして伝える

2と同様にオンラインでは対面よりもコンタクトツールが限られます。

面談の最初には「これぐらいの声の大きさでよいですか?」と確認しておく方がよいでしょう。

また、うなずきや表情なども対面の時よりも意識的に大きめにする方が

画面越しの対象者に伝わりやすくなります。

4.オンラインによる保健指導では対面のときよりも時間の“遊び”が少なくなるので、より一方的に話しがちになる

保健指導だけでなく、

産業医面談やカウンセリングの時にも感じたことですが、

慣れるまではオンラインの場合、不思議と気持ちが焦る気がしました。

双方で同時にしゃべってしまう状態、

いわゆる言葉がかぶるような状態になると、

対面とは異なり、相手の言葉がほとんど聞き取れなくなります。

ですから、対面の時よりも意識的に相手の様子を観察して発言のタイミングをはかるようにして、

対面の時よりもワンテンポ相手の言葉を待つようにする

対象者と言葉がかぶることが減り、

対象者から思いがけないひと言を引き出せるきっかけにもなります。

5.対面の保健指導と同様に、対象者が自ら課題を乗り越えるためのエネルギーが出るように応援する勇気づけの関わりを大切にする

対面の保健指導であっても、オンラインの保健指導であっても

保健指導のやり方よりも保健指導実施者、支援者のあり方が重要なのは変わりありません。

この人にだったらサポートしてもらいたいな、

この人の話なら聞いてみようかな、

この人ならまた会いたいな、

と対象者に思ってもらえるかどうかは

支援者の勇気づけの関わりにかかっているのです。

具体的な勇気づけの関わりには

・感謝を伝える
・聴き上手になる
・相手の意思(想い)を確認しながら進める
・当たり前のこと、すでにできていることに注目する
・結果よりもプロセスに注目する
・アイ・メッセージで伝える
・リフレーミング・失敗を受け入れる

などがありますが、

詳細は本に書きましたので、

保健指導が苦手、もっと保健指導がうまくなりたいと思う方はぜひ参考にされてみてくださいね。

『ミレイ先生のアドラー流“勇気づけ”保健指導』

まとめ

まとめます。

 

オンラインでの保健指導をスムーズに進めるための5箇条

  1. 基本は対面の保健指導と変わらないので、必要以上に構えすぎない。
  2. 対面の時よりも視覚情報に頼るようになるので、画面越しでも分かりやすいオンライン用の保健指導ツールや教材を用意しておく方がいい。
  3. オンラインによる保健指導では雰囲気で伝えられる部分が少ないので、身振りを大きめにして、気持ちや希望をはっきりと言葉にして伝える。
  4. オンラインによる保健指導では対面のときよりも時間の“遊び”が少なくなるので、より一方的に話しがちになる。
  5. 対面の保健指導と同様に、対象者が自ら課題を乗り越えるためのエネルギーが出るように応援する勇気づけの関わりを大切にする。

それでは、今日もよい一日を!

 

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