11月、関東地方にある大手小売企業様にて、
階層別のメンタルヘルス研修を担当し、
200名近い方にご参加いただきました。
学生時代から馴染みのあるお店でもあり、
「この場所で働く皆さんの力になりたい」
そんな思いが自然と湧いてくる、特別な研修でした。
私にとっても学びになり、
心温まる時間となりました。
変化が続くとき、心も揺れやすい
どの企業でも、組織再編や役割変更が起きると、
現場にはさまざまな混乱や不安が生まれます。
例えば、
- 役割が変わり、責任の範囲があいまいになる
- メンバーとの関係性がリセットされる
- 情報の行き違いが増えて、誤解が生まれやすい
- 「伝えたつもり」と「伝わっていない」のズレが増える
- 環境変化そのものがストレスの要因となる
- 相談を受ける人が疲弊しやすい
など、企業の変化は、働く人の心にじわじわと影響します。
そこで今回は、
「ストレスに気づき、対話でつながり、また前に進める職場へ」
をテーマで、階層別に3つの研修を実施しました。
管理職向け研修
管理職の皆さんは、変管理職の皆さんには、変化の時期だからこそ、
抽象的な方針をかみ砕き、現場にわかりやすく伝える「言葉の力」が求められます。
研修では、
- WHY → WHAT → HOW の順で伝えると人が動きやすい
- 「伝えた」ではなく「伝わった」を意識する
- 日常の挨拶・承認が心理的安全性の土台になる
といったコミュニケーションのポイントをお伝えしました。
伝える側の責任、
関係性の積み重ねの大切さ、
部下の視点や考えを尊重することの重要性などが伝わったようで、
「現場を良くしたい」という覚悟のようなものを感じました。
中堅リーダー向け研修
現場スタッフから相談を受けることの多い中堅リーダー層の皆さんは、
- 企業の方針と現場の実情のギャップ
- 現場スタッフの戸惑いや不満の矢面に立ちやすい
- 役割の拡張により負担が増える
など、特にストレスを抱えやすい層でもあります。
研修では、
- 現場スタッフとのコミュニケーション
- 「背負い込みすぎ」を防ぐためのバウンダリー
- 日々のストレスケア
を中心にお伝えしました。
「共感は大事。でも相手の感情まで背負わなくていい」というメッセージには
ほっとしたように表情が緩むように感じられました。
スタッフ向け研修
現場スタッフの皆さんに向けては、
「自分の心を守りながら働く」ためのミニワークとセルフケアを中心に研修を行いました。
- 事実と解釈を切り分けるミニワーク
- 今日できたことを承認するミニワーク
- 誰かに感謝を伝える練習
ミニワークなどで日頃あまり話す機会のない方と対話する時間もあり、
少しほぐれた様子が感じられました。
おわりに ― 変化が続くときほど、「心の地ならし」を
今回の研修は、「大手エージェントでは融通が利かず、しかも高額で・・・」と断られたとのことでご縁をいただきました。
限られた時間で難易度の高いオーダーでしたが、
小さな会社ならではの機動性を活かしてきめ細やかに対応したところ、
当日聞きにいらしていた本部の方から
「素晴らしい内容だったので、全社で展開したいと思いました」
とおっしゃっていただきました。
そして、一つひとつの仕事に丁寧に関わることの大切さが若い頃よりも分かるようになったなぁと思います。
組織が変わるとき、人の気持ちも揺れ動きます。
そんな時期に必要なのは、
安心して働ける“関係づくり”です。
今回の研修が、小さな変化につながっていたら嬉しいです。
ご参加くださった皆さま、
企画・準備をしてくださった皆さま、
本当にありがとうございました🍀
