自分、他人、関係、環境、変えやすいのはどれ!?

交流分析TA創始者エリック・バーンの言葉として

「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」

という言葉は一般にもわりと知られているかと思います。

エリック・バーンはアドラーの影響を受けていると言われていて、

アドラー心理学では、過去はどうあれこれから先の人生は自分で決められる、

性格(ライフスタイル/生き方)はいつでも変えられると考えます。

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同じ出来事に接触したとしても

その出来事に対して10人いれば10通りの受け止め方、解釈の仕方をします。

だから、自分を苦しめるような、人生を複雑にするような

受け止め方、解釈の仕方を変えれば、世界の見え方が変わり、

人生は自分の思うように創っていけるので、

他人や過去を変えようとする不毛な努力はやめて、

今からすぐに変えられる自分と未来を変えていこう、

という未来に希望が持てる考え方だと思います。

自分の生きづらさは母子家庭で育ったという生育環境のせいだ、と考えていた私でしたが、

アドラー心理学に初めて出会ったときは、

過去がどうであれ物事の受け止め方や解釈を変えれば

この先の自分の未来は自分で作っていけるのだ、という

アドラー心理学の考え方(個人の主体性とか自己決定性とか創造的自己と呼ばれます)に

ものすごく勇気づけられて、すぐにアドラーに夢中になりました。

ですから、今日のタイトルのような、

自分、他人、関係、環境のうち変えやすいのはどれ?

という問いかけに対してアドラー的に考えると

「自分」というのが正解なのでしょうが、

今の私は「いやいや、環境でしょ!」と思います。

20年ほど自己受容のためのお稽古をしてきて、

今では自分だけでなく仲間と一緒に自己受容のお稽古のための場づくりをしてきて、

つくづく思うのは、本来の自分のままでリラックスして生きていけるようになったり、

自己受容のお稽古をしていくためには適切な環境が必要だ、ということです。

「変えやすいのは自分だ!」「まずは自分を変えるべし!」と意気込んで、

物事の受け止め方や解釈の仕方を変えようとしても、

周囲に暴力や暴言が満ちているような環境では身の安全が確保されず不可能でしょうし、

そこまでいかなくても、終始、否定されたり、非難されたり、プライドを傷つけられたり、

無力感や孤立感を感じさせられるような環境では自己受容のお稽古なんて進むはずがありません。

だから、もっとリラックスして本来の自分のままで無理なくいのちの力を発揮したいなら、

自分を変えようとする取り組みだけでなく環境を変えることを考えた方がいいです。

みなさんも経験があるのではないかと思いますが、

問題だ、課題だ、悩みだと考えたいたことでも環境を変えると解決することって人生にけっこうありますよね。

自己受容のためのお稽古はこつこつと続けていくものですから、

よりによって難しい、自分にとって厳しい環境で挑戦しようとしなくてもいいのです。

ただ、何度も環境を変えても、同じような課題が場所を変え、相手を変えて起きてくるというときには

自分との付き合い方を見直してみるタイミングかもしれません。

というわけで、タイトルのうち一番変えやすいのは環境で、

その次に自分⇒自分が変わったことで人との関係性も変わり⇒人も変わったように感じる

というような順番かな、と思います。