【3連続オンライン】忙しさの中で「今ここ」に戻る3日間

先週は、気づけば3日連続でオンラインの時間を過ごしていました。

16日(火)こころみらいラボさん主催のオンラインセミナー

17日(水)LMTコミュニティのフリートーク

18日(木)日本ゲシュタルト療法研究会での発表

いずれもオンラインではありましたが、

内容も、集まった方々も、場の空気も、

それぞれまったく違う3日間でした。

ただ、振り返ってみると、

どの時間にも共通して流れていたものがあったように思います。

それは、「忙しさの中で、どうやって今ここ”に戻るのか」という問いでした。

忙しさのピークは過ぎたはずなのに

6冊目『心を病む力』の刊行後のあれやこれやが、

ようやく落ち着き始めた…はずなのですが、

なぜか気持ちは慌ただしいまま

来年出す7冊目の執筆も終盤に差しかかり、

「師走だしね」と自分に言い訳しながら、

この秋はかなり走り続けていました。

正直に言うと、

忙しさがピークだった11月には交感神経が過活性になり、

大切な人間関係にふたつもヒビが入る出来事がありました。

今振り返ると、あまりの忙しさにあの頃は余裕がなくなっていたのだと思います。

「忙しい」とは、心が“今ここ”にいない状態

仲間たちと話していて、あらためて腑に落ちた言葉があります。

忙しい、という字は「心を亡くす」と書きますね。

単にタスクが多いことが忙しいのではなく、

心が“今ここ”にいなくなることなのです。

心が“今ここ”から離れると

重心が上がり

頭だけがわちゃわちゃしてしまったり、

言わなくてもいいことをつい口走ってしまったり、

日常が波立つようになります。

一方で、タスクがどんなに多くても

“今ここ”にいられれば心を亡くすことなく、

落ち着いて集中でき、

仕事のパフォーマンスも上がります。

その分かれ道にあるのが、「呼吸」でした。

1日目:こころみらいラボさん主催「がんばりすぎるクセ、今日でいったん休みませんか?」

こころみらいラボさんでお話ししたテーマは、

まさにそんな「がんばりすぎる私たち」の話。

特別に大きな問題があるわけじゃない。

でも、なんとなくしんどい。

ずっと走り続けている感じがする。

そうした状態を責めるのではなく、

肩の力をすこし抜いていい

立ち止まってもいい

と、私自身にもメッセージを向けて話していたような時間でした。

2日目:LMTコミュニティ「フリートーク」

LMTコミュニティでは、

月1回の読書会と、

ミニレクチャーとフリートークを交互に月1回開催しています。

年内最後の集まりはフリートークでした。

参加メンバーが今抱えているお悩みやもやもやなどの話題を提供し、

それについて各メンバーが実体験を踏まえたシェアをしていく時間となりました。

話題提供したメンバーの「問題を解決しよう!」という姿勢ではなく、

「それ、私もある」と悩みを共有してもらえる感覚や、

アドバイスではなく多種多様な意見を聞ける時間でした。

この日も、年末らしい慌ただしさの中で、

静かに“今ここ”へ戻る時間になったように思います。

3日目:ゲシュタルト療法研究会「ゲシュタルト×ポリヴェーガルから生まれた書籍『心を病む力』のご紹介」

― 「自分に気づいた、その先」をどう生きるか

3日目は、日本ゲシュタルト療法研究会

ゲシュタルト療法とポリヴェーガル理論をベースに、

拙著『心を病む力』で書いた内容、特に

自分に気づけるようになった“その先”をどう社会の中で生きていくのか」というテーマについて、

参加者のみなさんと一緒に考えました。

ゲシュタルトのワークを重ねていくと、

それまで過剰適応でなんとか生き延びてきた人が、

「本来の自分」に気づくことがあります。

けれどその結果、

以前のようにがむしゃらにがんばれなくなり、

戸惑いを感じる人も少なくありません。

いわゆる

ゲシュタルトのせいで…

という言葉が出てくる背景です。

今回は、

自分を取り戻すステップ1の先にある、

社会との関係を再構築するステップ2

比重を置いてお話ししました。

「ありのままの自分」で人とつながり、

社会の中で生きていくとはどういうことなのか。

拙著には書いていない、

本研究会限定の「処方箋」もご紹介しました。

正解のないテーマだからこそ、

対話し続ける価値があると、あらためて感じました。

3連続オンラインが教えてくれたこと

こうして振り返ってみると、

この3日間は今年一年を静かにたどり直す時間でもあったように思います。

忙しい年末。

タスクが増える時期だからこそ、呼吸は真っ先に忘れられがちです。

でも本当は、タスクが多いときこそ、呼吸に戻る必要がある。

このブログを読んでくださっている今、

自分の呼吸に気づけたら、そして、もし一瞬でも息が深くなったなら

それだけで十分です。

今年も残りわずか。

どうか、心を亡くさずに。

ときどき呼吸と一緒に、“今ここ”へ戻りながら過ごせますように。