【活動報告】LMTコミュニティ オプション「対話コース」~「イヤだ」という気持ちは、あなたを守る大切なサイン~

誰かのために頑張るほど、
なぜか自分が削られていく――。

そんな感覚を覚えたことはありませんか?

6月の対話コースでは、
産業保健、医療、対人支援など、
現場で人と関わる仕事をするメンバーが集まり、
日々感じているモヤモヤ疲弊感を持ち寄りながら、
自分自身と向き合う時間を持ちました。

LMTコミュニティには、
読書会や相談会などのプログラムがあります。

その中で対話コースは、
より深く自己理解を進めたい方のための
オプションです。

とはいえ、何か新しい知識やスキルを
頭で学ぶための場所ではありません。

日々、誰かのケアに奔走している支援職の皆さんが、
いま、自分が何を感じているか」に気づき、
その実感をただ大切に扱うための「おけいこ」の場です。

今回も、
日々人と関わる仕事をしているメンバーだからこその、
深く葛藤率直な気持ちがたくさん共有されました。

一見バラバラな悩みの、共通するテーマ

今回の対話では、
いくつかのテーマが出てきました。

職場で問題のある言動を繰り返すメンバーへの対応——。

家族との関係の中で湧き上がる言葉にしきれない複雑な感情——。

専門職として無償で関わり続けることへの消耗感——。

一見すると、
まったく別々の話題のように見えます。

けれども、丁寧に聴いていくと、
どの話にも共通していたのは、
どこまでが自分で、どこからが相手なのか
ということでした。

相手の問題を、自分が背負いすぎていないか。

相手の感情を、自分のもののように引き受けていないか。

バウンダリーが曖昧になると、
私たちは知らず知らずのうちに疲れていきます。

そして、
その疲れは単なる忙しさではなく、
もうこれ以上は苦しいよ」という、
自分自身からのサインなのかもしれません。

「ダメなものはダメ」が、本当の優しさである理由

職場で、
不適切な言動を繰り返す若手社員や、
なかなか動いてくれない年長者がいるとき、
真面目で優しい人ほど、
「私がフォローすれば丸く収まるから」
と、耐えてしまったり、
腫れ物に触るように扱ってしまいがちです。

もちろん、
相手を責めたり、
人格を否定したりする必要はありません。

でも、それは本当の優しさなのでしょうか。

そうすることで本人は
「自分の行動は問題ない」
と、学習し続けてしまいます。

このテーマに対して、
私はこのようなお話をさせていただきました。

ネガティブなフィードバックを伝えないことが、かえって相手の成長を止めたり、職場のメンタル不調の原因になることもあります。

組織のルールとして、ダメなものはダメと毅然と伝えること。
相手から『困る権利』を奪わず、ちゃんと本人に『お困り感』を返してあげることが、結果として本人の内省を促す本当の支援になります。

「優しさ」と「甘やかし」は違います。

相手が困ることを過度に避けようとする関わりは、
長い目で見ると相手の成長の機会を奪ってしまうことがあります。

相手の課題を先回りして背負うのをやめる。
これも大切な境界線です。
そして、
これは冷たいことではありません。

感情的に責めるのではなく、
組織のルールに照らして淡々と伝える。

それがプロとしての線引きであり、
本当の意味での支援です。

「イヤ」「怒り」という感情は、悪者ではない

今回、特に大切なテーマだったのは、
いわゆるネガティブな感情とのつき合い方でした。

怒り

嫌悪感

イライラ

重たさ

近づきたくない感じ

こうした感情が湧いてくると、
私たちはつい自分を責めます

こんなふうに思ってはいけない

支援職なのに、こんな感情を持つなんて

家族に対して、こんなことを感じるなんて

けれども、
感情は自然に湧いてくるものです。

とくに、
怒りや嫌悪感は、
自分を守るための大切なメッセージです。

身近な人に対して
複雑な感情を抱くこともあります。

大切な人だからこそ、
苦しくなることもあります。

家族だから、
親しい人だから、
感謝しなければならない。

そう思って、
自分の感覚を押し込めてしまうこともあるでしょう。

でも、頭で「こう感じてはいけない」と押し込めていた感情を、
「あぁ、私はあのときイヤだったんだ」
「苦しかったんだ」
と、ありのままに受け入れた時
張りつめていたものがほどけるように涙があふれたり
重かった身体がふっと軽くなったりすることがあります。

感情に気づき、それを受け止めること
——これが自己受容の第一歩であり、
バウンダリーを引くためのエネルギーになります。

専門性を守ることは、自分の価値を認めること

今回、もうひとつ大きなテーマになったのが
「プロとしての線引き」でした。

―善意で始めた関わりが、
 気づけば自分の専門性や時間を際限なく消費している。

―「ちょっと聞いていい?」という軽い相談に応え続けて、
 気づけばへとへとになっている。

そんな状況に、
思い当たる方も多いのではないでしょうか。

支援職にありがちな
「これくらい、やってあげなきゃ」の想いから無理を重ね、
結果として「善意の搾取」を許し
いつか苦しくなります

プロとして働き続けるためには、
ここから先は仕事としてお受けします」
と、線を引くことも必要です。

それは相手を拒絶することではありません。

自分の専門性を大切に扱うことです。

自分の価値を認めることです。

そして結果的に、
サステナブルに対人支援を続けるための土台になります。

自分を守ることが、他者を大切にする第一歩

今回の対話コースを通して、
改めて感じたことがあります。

それは、
自分を守ることは、
人を大切にすることにつながる
ということです。

自分の感覚を無視して、
相手に合わせ続けることは、
一見やさしさのように見えるかもしれません。

けれども、
自分を置き去りにしたままでは、
いつか相手のことも大切にできなくなります。

「イヤだ」と感じること。

「疲れた」と感じること。

「これは私の役割ではない」と気づくこと。

それらはすべて、
自分を責める材料ではなく、
自分を守るための大切なサインです。

自分が何を感じているのかに気づき、
その感覚を大切に扱うためのおけいこの場が、
LMTコミュニティです。

今回も参加者それぞれが、
自分自身とのつながりを少し取り戻す時間になりました。

ご参加くださった皆さま、
本当にありがとうございました🍀