ウエタニミレイです。
このブログにも何度か書いているのですが、去年の秋ぐらいから自分を統合する作業に向き合っています。
私は長らく自分がバラバラになっている感覚がありました。
本当の自分が望んでいること、
考えていること、
感じていること、
行動していることが
バラバラになっているような感覚です。
それってどうしてなんだろう?って考えていたのですが、
本来の自分の上に役割ごとにたくさんの仮面をつけていて、
それらの仮面はあまりにも私にピッタリと張り付いていて
元々の自分の顔が分からなくなるほどだったからなのだと思います。
娘の仮面、孫の仮面、姪っ子の仮面、優秀な人っぽい仮面、医学生の仮面⇒臨床医の仮面⇒大学教員の仮面⇒産業医の仮面、妻の仮面、母の仮面、研修や講座の講師の仮面、最近だとPTA本部役員の仮面…。
それぞれの仮面がそれぞれバラバラに
「こういう時はこうするべき」とか
「あなたの立場だと愛想良くしておいた方が得だよ」とか
「こういう場面ではこうするのが普通」とか
「こんな時はこんな風に言っておいた方が優秀な人だと思われる」とか
「私の立場ではこんなことはとても言えない」とか
「この場面でこんな風に振る舞うことは許されないことだよね」とか
「こんな風に振る舞っていればみんなから評価されるよ」とか
「あなたの立場だとこう言っておいた方がみんなから好かれるよ」とか
それはまぁ、それぞれに勝手なことを言ってくるワケです。
私の顔にぴったり張り付いた仮面ごとに好き勝手なことを言ってくるので
自分に軸がないような感覚がありました。
特に成人してからは社会人ですから、
時と場合に応じて仮面を付け替えて
TPOや立場、役割に合わせて適切な行動をした方が
周囲と調和してスムーズに生きていけます。
けれども自分の元々の顔が分からなくなるぐらいに
それぞれの仮面が幅をきかせるようになると
たとえ表面上は周囲と調和できているように振る舞えたとしても
自分で自分がよく分からなくなっていくのです。
本来の自分だったらしないような選択をすることを
仮面が指示してくることもあります。
本来の自分の感覚的には「何かがおかしい」とは感じるのですが、
あまりにもぴったりと仮面が張り付いているので
何かどうおかしいのかも分からず、
一生懸命に「これでいいんだ、これで正しいんだ」と
自分に言い聞かせることに莫大なエネルギーを使ってきました。
こんな不自然、不自由な生き方をしていると自分に対しても、周りに対しても大きな影響が出て来てます。
まず周囲に対しては、
それぞれの仮面ごとに色々な「~~すべき」「~~が普通でしょ」「~~するのが常識」を押しつけます。
そして、
「私もこんなに我慢して仮面の言うことを聞いているのだから、あなたも我慢しなさいよ」というような気持ちが湧いてきます。
自分に軸がないので、その時々で言動が変わり、周囲から信頼してもらえません。
常に自分の中で本来の自分と仮面たちがワーワーと騒いでいるので、
精神的に落ち着かず感情の起伏が激しくて周囲にイライラをぶつけることもあります。
その結果、安定した人間関係やキャリアを築くことが難しくなります。
自分に対しては、
表面上は仮面の指示通りに振る舞っているのですが、
本来の自分が「何か違う」「何かがおかしい」と絶えずメッセージを送ってくるのでなんとなく落ち着かないし、いつもイライラしています。
本当の自分が望んでいること、考えていること、感じていること、行動していることがバラバラになっているような感覚になります。
何かがおかしいという感覚はあるのですが、同時に「これでいいんだ」と自分に言い聞かせることに
多大なエネルギーを使うので建設的なやる気、活力、元気が湧いてきません。
この状態は当然ストレスにもなるので心身をむしばみます。
私の場合は気分が落ち込み、過食・嘔吐の摂食障害が出ました。
自分をごまかすためにアルコールやタバコ、その他の嗜好品への依存が起こることもあります。
私も若い頃は依存症的なアルコールの飲み方をしていました。
若い頃からなんだか生きづらく、人生が安定しないことがしんどくて
どうして自分はこんななんだろう?とずーっと自己探求してきました。
かれこれ20年ぐらいになるでしょうか。
アドラーに出会って10年、他のたくさんの学びや仲間にも助けられて
少しずつ仮面を外す作業に取り組み、自分自身の生き方や環境も大きく変えてきました。
そして去年の秋ぐらいから加速度的に自分が統合していっている感覚があります。
最近ではめっきりお酒も飲まなくなりました。
自分の中からエネルギーが湧いてくるのが分かり、
頭がスッキリしていて、心身ともに健やかな感覚があります。
立場やTPOに合わせて仮面を付け替えてもいいのですが、
仮面と同一化してしまわないで、自分が仮面をつけていることを自覚していること、
適宜、意識的に仮面を外せることが必要なのです。
前回のエントリーには、
病気についてどんなに詳しくなっても健康になるわけではないと書きました。
産業医として仕事をする中で、自分に合わない仕事、無理な働き方、本来の自分から離れた生き方、自分の感覚よりも立場を優先する生き方をしてきた結果、ストレスから心身を病んでいく人をたくさん見てきました。
本来の自分から離れて仮面に支配されて不自然、不自由な生き方をすることが多くの問題を引き起こすのです。
私自身の経験からも、心身ともに健やかに生きていくためには情報や答えを自分の外に求めるのではなく、
本来の自分を探求して、できるだけ本来の自分に近い形、自然体に近い形で生きていけるようにすることが一番大切だと確信しています。
それでは皆さん、ごきげんよう\(^O^)/