無気力を誇示する相手に関わるには

ウエタニミレイです。

今日は私のアドラー研修を受けてくださった方の質問への回答をブログでも共有したいと思います。

アドラーは、「すべての人間の問題、すべての不適切な行動の根本原因は、勇気を失っていることだ」と言いました。

「不適切な行動」とは耳慣れない言葉かもしれませんが、
自分や他者を傷つけたり、モノを壊したりルールを破るなどの共同体に対して破壊的な行動のことを言います。

そして、不適切な行動には5つの段階があります。
程度の軽い方から、
1.賞賛を求める「ねぇ、ほめて」
2.注目を集める「ほめてもらえないのなら、せめて叱られよう」
3.権力闘争をしかける「お前なんかに負けないぞ」
4.復讐する「勝てないなら、せめて傷つけてやる」
5.無気力を誇示する「私に期待しないで、もう放っておいてくれ」
となります。

不適切な行動の最終段階「無気力を誇示する」ような人には
心理の専門家の支援が必要とされていますが、
専門家ではない周囲の人にできることはないのか?というご質問でした。

私の保健指導の本にも事例として紹介しましたが、糖尿病などの生活習慣病の患者さんが
「どうでもいいので、自分のことはもう放っておいて欲しい」という無気力な態度を示すことは珍しくありません。

そんな方にどう対応すればいいのかということに対して、私の回答は以下の通りです。
必要などなたかに届きますように(*^_^*)

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ご質問の不適切な行動の最終段階「無気力を誇示する」方への対応ですが、
専門家の介入が必要とあっても、「今の自分にできることはなんだろう」と
考えることこそが協力的な構えということになります。
「無気力を誇示する」のが大人であっても子どもであっても、
専門家ではない身近な立場にあってできることは「勇気づけ」のみなのです。
研修でもお伝えした通り、勇気づけとは
相手が「自分には居場所があり、他者は仲間である。仲間である他者のために
今の自分のままで役に立つことがある」と感じられるような関わりのことです。
相手が大人であっても子どもであっても、他者に影響力を与えるためには
まずはよい関係を作ることが大切です。
そして、対等なヨコの関係を作っていこうとする関わり自体も勇気づけになります。
ケースによって具体的な言葉掛けなどは変わってくると思いますが、
相手と仲間になろう、ヨコの関係を築いてこうと決意して
当たり前に思えることにも正の注目をし、時期を待つしかないと考えます。
私の本にも書いたのですが、生活習慣病の患者さんが
まずは約束通りに受診してくれる、面談にきてくれるということや
健診や血液検査を受けてくれることなどに注目し、
検査を受けてくれることに感謝を伝えることや
「顔を見せてくれて嬉しい」と伝えることはできるでしょう。
子どもに対しても「何はともあれ、まずは生きていてくれることがありがたい」と
正の注目をすることはできるでしょう。
このような関わりをねばり強く続けることで、すぐに変化はみられなくても
目の前の相手を信じて見守り、変化を強要せず、
しかるべき時期を待つ姿勢を見せることが勇気づけになります。

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