アドラー×ゲシュタルトをベースに心の学びをお伝えする
“はたらく人の自己受容のためのサポーター” 上谷実礼です。
夫婦ゲンカと戦争
昨夜、子ども達と一緒に録画してあったNHKスペシャルを見ました。
「アウシュビッツ 死者たちの告白」
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/LGJ43WXVWY/
20年前には明らかになっていませんでしたが、
最近になり、ユダヤ人の大量虐殺が行われたガス室の近くに
ビンや箱に入ったたくさんのメモが見つかりました。
75年の時を経て、インクはすっかりにじんでしまって判読不能でしたが、
最新の技術で解読したところ、メモを書いたのは、
同胞をガス室へ誘導する役割や死体処理などを担った
ユダヤ人特殊部隊「ゾンダーコマンド」と呼ばれる人たちだったことが分かったそうです。
バックパッカーをしていた20年前にアウシュビッツにも足を運びました。
もしも、家族、子どもができた今、改めて訪れることがあったら、
当時よりももっと深く心が動かされることでしょう…。
ナチス関係者が直接虐殺に手を下したと思わないように、
直接的に虐殺にかかわる役割をユダヤ人自身に担わせたのです。
もしも再放送があったら、ぜひ見ていただきたい質の高い特集でしたが、
その中で一番印象に残ったのは次のようなくだりでした。
一言でユダヤ人と言っても出身地や言語の違いがあります。
ナチスはゾンダーコマンドどうしが結束を強めないように、
意図的に出身地や言語が違うユダヤ人たちを組ませて作業に当たらせたそうです。
実際に、ゾンダーコマンドのユダヤ人の間で
出身地や言語が異なる相手への不信感や敵意が存在しました。
「人間が違いを受け入れられない生き物だということをナチスは熟知していたのです」
皆さんは、自分は戦争になんて関わることはないし、
戦争なんてないほうがいいに決まっていると思いませんか?
一方で、他者との違いを受け入れがたいと感じることはありませんか?
私は、“違いを受け入れられない心”のなれの果てが戦争だと思います。
他者との違いを受け入れられない心は、もちろん私の中にも皆無ではありません。
私は自分の中に戦争の種があるということに自覚的でありたいと強く思います。
カウンセリングの主訴に、配偶者との関係はよく出てきます。
「夫のこういうところがイヤなんです」
「妻のこういうところが理解できないんです」
気持ちはとてもよく分かります。
私自身も夫のことをたくさんたくさんジャッジしてきました。
けれども、もっとも身近な存在である配偶者や家族を理解し、寛容であることは
他者理解、人種や言語の違う人々を理解するスタートだと思うのです。
配偶者や家族を理解し、互いに寛容であることは、世界平和の礎となります。
平和な世界を願って、今日も一番身近な家族の顔をよく見て、
笑顔で挨拶やありがとうを伝えようと思います。
今日もゴキゲンな一日を♫