自分の〇〇なところを直したい

朝、ワンコたちの散歩に出ると金木犀や銀木犀の香りが街にあふれていて

幸せな気持ちになるこの季節が好きです。

そろそろ来年、来年度に向けてのことを計画したり動いたりしているので頭は忙しいのですが、

ワンコの散歩のときにはスマホを持たないで出て、

五感で季節の移り変わりを感じたりマインドフルになる短くても貴重な時間になっています。

イベント・ワークショップ

『~たった30分の面談で部下との信頼関係が築ける~ 離職率が下がる! 対人支援職のためのカウンセリング型1 on 1』

◆1日目 6月14日(金) 13:00~18:00
◆2日目 6月15日(土) 9:30~18:00
◆3日目 6月16日(日) 9:30~16:00

@福岡県筑紫野市

詳細とお申込みはこちらから



カウンセリングや産業医面談をしていると

「自分には〇〇みたいな悪いところがあるので直したい」とか

「心理系のYouTubeを見ていると■■と言っていて自分はできていないのでなんとかしたい」

というようなご相談がたまにあります。

〇〇とか■■にはたとえば、

完璧主義なところを直したいとか、

自分は承認欲求で動いてしまっている感じがするんですとか、

減点思考になってしまう自分はダメですよねとか、

人に感謝できるようになるためにはまずは自分を満たしてからですよね、

のようなことが入ります。

カウンセリングやセラピーを受け始めたころの私も、同じようなことを考えていたなぁと思い出します。

自分のこういうところがダメだから直さないと、とか

心の学びをしていつも感情が安定している穏やかな人になりたい、とか

こんなに学んでいるのに全然変わらない自分はダメだ、とか

ずいぶん自分に厳しかったなぁと思います(遠い目)。

その後、数えきれないぐらいのカウンセリングセッションを受けたり、

理論や哲学などを知的にも理解したり、

ポリヴェーガル理論を入り口に脳神経科学なアプローチからも学んだり、

人生の中で壁にぶつかるたびにもがいたりしてきて、

今では、

身体的に疲れているときはイライラするのは当たり前だよね、

追い込まれた状況だと白黒思考とか減点思考になることがあっても仕方ないよね、

生きていれば感情の起伏があるのは当たり前でそれが生きているってことだよね、

人間には承認欲求があるのは当たり前だし見返りを求めることがあってもいいよね、

それだけ悩むってことは真剣に自分の人生を生きようとしているってことだよね、

みたいに思えるようになってきて、

カウンセリングや面談でも

「あなたは大丈夫だから!」「充分がんばってるから!」としか

思えないようになってきて、

なんなら「カウンセリングで自分を変えようとしなくていいから!」

という気持ちになることもあって、

これじゃあ商売にならないじゃん!と思うこともあったりなかったり笑

ゲシュタルトで教わる「変容の逆説的理論」、

すなわち

今の自分を否定して新しい自分になることはできない、

変わろう変わろうとしているうちは真の変容は起こらず、

今の自分をありのままに受け入れたときに初めて変容は起こる

って本当だなぁと腹の底から思うようになりました。

植物も動物も「成長しなければ!」

「成長できるようにがんばろう!」なんて思いませんよね。

成長しよう!なんてがんばらなくても

今のままの自分、ありのままの自分を

そのまんま受け入れ、そういう自分を分かってあげると

いつの間にか変容は起こり、いつの間にか成長していることに気づきます。

人って自分ひとりでは自分のことが分からないものです。

継続して面談やカウンセリングを受けられるクライエントさんが

「自分には〇〇みたいな悪いところがまだあるので直したい」と言ってこられるときには

身体的に疲れているときはイライラするのは当たり前だよね、

追い込まれた状況だと白黒思考とか減点思考になることがあっても仕方ないよね、

生きていれば感情の起伏があるのは当たり前でそれが生きているってことだよね、

人間には承認欲求があるのは当たり前だし見返りを求めることがあってもいいよね、

それだけ悩むってことは真剣に自分の人生を生きようとしているってことだよね、

みたいなことをお伝えして、

以前から比べて変化していること、私から見て違ってみえるところについて

フィードバックすることでクライエントさんが自分の成長に気づける、ということがよく起こります。

自分はまだまだだ・・・と自分を責めているよりも、よっぽど明るい気持ちになって

内側から生きるエネルギーが湧いてくるのが見ていてよく分かります。

自分を責めているから変容や成長に気づけないのであって、

今のままの自分を受け入れ、自分で自分を分かってあげたら、

人はいつの間にか勝手に成長していくもんです。

というわけで、

「そもそも人は変わらなくてはいけないのか?」という問いに関しては、

今の自分を否定して新しい自分になることはできない、

変わろう変わろうとしているうちは真の変容は起こらず、

今の自分をありのままに受け入れたときに初めて変容は起こる。

という変容の逆説的理論を回答とさせていただきます^_^