学校では教えてくれない大切なこと



SNSに投稿した内容が思いがけない反響だったので、ブログでも共有しておこうと思います。

投稿したのはこのような内容です。

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自分の話をノンジャッジでただ受け止めもらえた時に人は受容されたと感じるのです。

課題の解決もアドバイスも必要ありません。

人の話を聴いて「何かしてあげなくては」「何か役に立つアドバイスをしなくては」「課題を解決しなくては」と考えてしまうのは自分の中で起こっている反応に過ぎません。

相手が自分に話をすることで何を求めているかは本人に確認してみないと分かりません。

「私に話をしてくれてありがとう。話をすることで私に何を求めてるの?」と聞いてみましょう。

ほとんどの場合は「ただ話を聴いてくれればいいんだ」という答えが返ってくるでしょう。

明確に「アドバイスが欲しい、」「課題の解決を手伝って欲しい」という答えが返ってきた場合に限って「私の考えにすぎないんだけど」と前置きした上で控えめにコメントするぐらいでちょうどいいのです。

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この投稿に対して「(大切なことなのに)なぜか学校の授業で教えてくれないんですよね」とコメントくださった方がいたので、タイトルの参考にさせていただきました^_^

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人の話を聴いて、「何かしてあげなくては」「何か役に立つアドバイスをしなくては」「課題を解決しなくては」なんて、一度も考えたことがないという方は珍しいのではないかと思います。

親、上司、講師、先生、カウンセラー、コーチ、セラピストのような肩書が付いちゃうと、自動反応的に「なにかしなくては」モードに入るという方が多いでしょう。

特に日本の場合は「空気を読む」とか「以心伝心」のような言葉に現れているように、言われる前に行動する人を「気が利く人」とか「気働きができる人」みたいにプラスの評価をされることが多いことも影響していると思います。

今朝の私のSNS投稿を見て仲間のひとりがこんなメッセージをくれました。

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日常では、誰かが「喉が渇いた」と言えば飲み物を用意し、「オシッコ行きたい」と言えば聞かれてないのにトイレの場所を教え、何かを探してる様子を見たら、これかな、と当たりを付けてホッチキスやテープを出してみたり…

余計なお世話を、気を利かすことだと、空気読むことだと錯覚して成長してきました。

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そうそう、ここに書かれていることはぜんぶおせっかいで余計なお世話ですから!!笑

そういう私も昔はずいぶん余計なアドバイスやおせっかいをしたものです(遠い目)。

頼まれてもいないのにアドバイスをしようとしたり課題解決をしようとするのは、「あなたには課題を解決する力がない」というメッセージを暗に送っているのと同じ意味になります。

言葉で明示されていなくても相手はなんとなくイヤな気持ちになって、「話を聴いてくれるだけでよかったのに」「もうこの人に話すのはやめておこう」と、考えるようになるかもしれません。

そして「何か役に立つアドバイスをしようとしなくては」と自動反応的な言動をしてしまう背景には

 役に立たない自分には価値がない

 自分は優秀でなければならない

のような無意識の信じ込み・思い込み(心理学用語でビリーフと言います)が存在しているケースが多いです。

もちろん私にもかつては

 役に立たない自分には価値がない

 自分は優秀でなければならない

のようなビリーフがありました。

生まれたときから

 役に立たない自分には価値がない

 自分は優秀でなければならない

と信じている赤ちゃんはいないでしょうから、今日まで生きてきた過程のどこかで、生き延びるためにその信じ込み・思い込みを取り込んだのです。

だから、人の話を聴いてやたらとアドバイスしたくなったり、課題解決したくなったりする時は、できればプロのカウンセラーにサポートしてもらいながら、自動反応的に

 「何かしてあげなくては」

 「何か役に立つアドバイスをしなくては」

 「課題を解決しなくては」

という思考や言動になってしまう自分を「そんな自分いるよねぇ」とノンジャッジで受容し(自己受容)、そのようなビリーフを取り込んでしまったワケを理解してあげてください(自己理解)。

自己受容⇒自己理解の順番が大切です。

自分で自分を分かってあげられるようになると

 何にもできない自分でもいいよね

 役に立たないことがあってもいいよね

 課題を解決できないことがあってもいいよね

 優秀じゃない自分でもいいよね

と思えるようになって、アドバイスしないようにガマンして傾聴するのではなく、無理なく自然に人の話を受容し、共感できるようになります。

人の話を聴いてやたらと

 「何かしてあげなくては」

 「何か役に立つアドバイスをしなくては」

 「課題を解決しなくては」

という思考や言動になってしまうとき、もしかすると話を聴いてもらった方がいいのは自分の方かもしれませんよ。