【研修報告】“心の安全”をつくるラインケア—心の安全がある職場は、上司が自分を大切にすることから始まる

部下のメンタルヘルスを守るために、
上司として何をすればいいのか

ラインケアについて考えるとき、

そんなことがまず頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

先日、小売業の部課長・チーフの皆さまを対象に、

心の安全をつくるラインケア

をテーマに研修を行いました。

今回の研修で、

私が特に大切にしたかったことのひとつが、

部下への対応方法やコミュニケーションの

テクニックよりももっと手前にあることです。

それは、

部下を大切にするためにも、
まず上司自身が自分を大切にしてほしい

ということでした。

ラインケアは、「支える人」を大切にすることから

ラインケアとは、

管理職が

○ 日頃から部下の様子に目を配り、

○ 職場環境を整えたり、

○ 相談に対応したりしながら、

部下のメンタルヘルスを支える取り組みです。

ラインケアの研修というと、

  • 部下のメンタルヘルス不調にどう対応するか
  • いつもと違う様子にどう気づくか
  • 相談されたときに、どう話を聴くか

といった内容をイメージする方が多いかもしれません。

もちろん、どれも大切なことです。

でも、部下を支える上司自身も、

一人の人間です。

管理職になれば、

チームの成果を求められながら、

一人ひとりの部下にも目を配らなければなりません。

そんな中で

部下を支えなければ

と頑張っていると、いつの間にか

自分の疲れやしんどさは

後回しになってしまいます。

だから今回、

部下への関わり方だけではなく、

上司自身が自分を守り、

自分を大切にすること

についてもお話ししました。

できなかったことばかりに目を向けるのではなく、

今日もよくやっているな

全部はできなかったけれど、
ここまではできたな

と、自分がやってきたことにも目を向けてみる。

自分には厳しいままで、

相手のことだけを承認するのは、

なかなか難しいものです。

まず自分を大切にすることが、
人を大切にすることにつながる。

ラインケアも、

そこから始まるのではないかと思っています。

研修開始

『心の安全(心理的安全性)』は、毎日の小さな関わりから

最近は、「心理的安全性」という言葉は

当たり前のように耳にする言葉となりました。

心理的安全性とは、
職場やチームの中で、
困っていることやわからないこと、
自分の意見などを安心して口にできる状態のことです。

私は、「心理的安全性」を

『心の安全』と言い換えて伝えしています。

では、そんな職場をつくるために、

上司は何をすればいいのでしょうか。

今回の研修では、すぐに実践できる3つのことをお伝えしました。

  • 上司から挨拶をする
  • 感謝を言葉にして伝える
  • 小さなことを承認する

どれも、とてもシンプルなことです。

「そんなことでいいの?」

と思われるかもしれません。

でも、

おはようございます

ありがとう

助かりました

気づいてくれてありがとう

そんな何気ない言葉をかけてもらうことで、

自分のことを見てもらえている

と感じられます。

それが少しずつ、

「ここにいても大丈夫」
「何かあったら、この人には話してもいいかもしれない」

という安心感につながっていきます。

『心の安全』は、

何か特別な制度や高度なコミュニケーション技術だけで

つくられるものではありません。

毎日の小さな関わりの積み重ねの中で育っていくものだと思います。

30分でも、たくさんの対話が生まれました

今回は、部課長の皆さまとチーフの皆さま、それぞれ20~30名ほどにご参加いただきました。

研修時間は30分。

とても短い時間だったのですが、

一方的に知識をお伝えするだけではなく、

隣の方とのシェアや、

挨拶・感謝を実際に口にするミニワーク

も取り入れました。

皆さん積極的に参加してくださり、

あちこちで活発な対話が行われていました。

研修で何かの「正解」を覚えるだけではなく、

それをきっかけに、

自分たちの職場のことを話したり

これまでの関わりを振り返ったりする。

そんな時間になったことを、

とてもうれしく感じました。

研修の様子

『心の安全』を感じられる職場は、上司の「おはよう」から始まる

ラインケアというと、

制度やルール、研修など、

大きな取り組みを考えたくなります。

もちろん、それらも大切です。

でも、職場の空気をつくっているのは、

もっと小さな日常のやり取りでもあります。

朝、上司から「おはようございます」と声をかける。

何かをしてもらったら「ありがとう」と伝える。

結果だけを見るのではなく、その人がしてくれた小さなことにも気づいて、言葉にする。

そして、部下だけでなく、

上司自身も自分の頑張りを認め、

自分を大切にする。

自分を大切にすることは、

部下を後回しにすることではありません。

むしろ、

自分の状態にも目を向けられるからこそ、

少し余裕をもって相手を見ることができます。

その人の小さな頑張りにも気づけるし、

必要なときには必要なことを伝えることもできます。

ラインケアは、

メンタルヘルス不調が起きてから

対応することだけではありません。

一人ひとりが安心して働ける関係を、
日々の中で少しずつ育てていくこと。

そのためにも、

まずは自分を大切にすることから。

今回の研修でも最後に、

日々頑張っている自分をねぎらう

セルフよしよし」を、

皆さんと一緒にやってみました。

部下を支える上司も、

毎日いろいろなことを抱えながら頑張っています。

まずは、そんな自分に

「今日もよくやっているね」

と声をかけてあげる。

心の安全な職場づくりも、

そんな小さなところから始まるのかもしれません。

このたびは、大切な研修の機会をいただき、

ありがとうございました。

研修をご依頼くださった企業の皆さま、

企画・運営にご尽力くださったご担当者の皆さま、

そして短い時間の中でも積極的に参加し、

ご自身のこと、

職場のことを考えてくださった受講者の皆さまに、

心より感謝申し上げます。

今回お伝えしたことが、

皆さまがご自身を大切にしながら、

心の安全な職場をつくっていくための

小さなヒントになればうれしいです🍀